不登校経験談

エリートコースを歩んできた大学生の姉のひきこもりに思う事

不登校・ひきこもり経験談

私は今、37歳の専業主婦の女性です。

私の姉が不登校になったのは、なんと大学生の頃でした。
普通は小中高でひきこもりや不登校になるもので、高校までの集団生活から解放された大学生になってまでそんな風になるなんて私は驚きました。

当時私は高校生で、しかも姉はずっと私が知る限り、とても頭が良くスポーツもできて学級委員もやるような優等生だったんです。そんな姉が不登校、ひきこもりになったきっかけは、私には分かりません。姉は家から大学に通っていたのですが、そこで周りの学生たちとあまり打ち解けられなかったようなのです。

大学生なのだし、決して高校のようにクラスにずっといる必要もないので、はっきりとしたイジメもなかったと思います。しかし姉は、妹の私からすると、エリートコースを歩んできたのに急に大学を休むようになってしまったのです。

姉のひきこもり期間中の生活は、実家住まいでしたので部屋にほとんどいたように記憶しています。姉の部屋は、実家の離れのような場所に作ってあったので、ひきこもりやすい環境でもありました。

その間、全く外出もせず呼ばれたらご飯だけは食べに来るけど家族と話すこともなく、また部屋に戻ってしまう生活でした。洋服など新しいものを買いに行くことすらなく、半年ほど過ごしたのです。

その年は下の姉も同じ大学に合格して、姉とは違う学部ですが通っていました。下の姉が入学してからしばらくしてから、上の姉があと半年ほどで卒業という時期に大学に行かなくなったのです。

下の姉はそんな姉の事を、自分の姉が同じ大学にいる事を周りには恥ずかしくて言えないと言ってました。そんな姉がひきこもりから抜け出したきっかけはなんだったのか、よくわかりませんが大学を辞めた事だったと思います。

とにかく、辞めたので、あの場所へもう行かなくて良いというのが彼女の安心につながり、元気が出てきたのかなと思います。そこからは、少しずつ家族と話すようにもなりアルバイトを始めたり車の免許を取りに行ったりと外に出るようになりました。

現在の彼女は3人の子供を育てながら仕事しているお母さんです。私も家族もなぜ大学にいかなくなって、ひきこもりになったのか、なぜ大学を辞めたのか、大人になった今でも姉に聞く事はありませんし、姉も話しません。現在の状況とひきこもりを振り返って、私は環境によっては誰でもそんな風に疲れてしまって全てを休みたい、という時があるのかもしれないなと思えるんです。

不登校になるとかひきこもりになるのは特別なことでもなく、頑張り過ぎて疲れたり周りの環境があまりにもストレスになった時にはあり得る事なのだと。

家族は、特に親は、我が子が不登校やひきこもりになったりしたら、育て方も含めて何が悪かったのだろうと思うかもしれません。親自身も悩む事でしょう。私の親がそうでした。このひきこもりが、いつになったら終わるのか、と不安にもなります。

でも、そうなったのは誰も悪くないんじゃないかと思うんです。
良いきっかけがないと、なかなかそこから脱出するのは難しいかもしれないけど、急がなくていいと思います。多少まわり道したっていつか元気になれば良いんだ、と今の元気な姉を見て実感しているのです。

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