不登校経験談

中学生のとき、摂食障害で不登校・ひきこもりになりました

不登校・ひきこもり経験談

 私は、都内でパートタイマーをしています、30代の主婦です。中学生のときに不登校を経験しました。

私が中学生の時に不登校になった直接の原因は「摂食障害」という心の病気にかかったことでした。
カウンセリングを通じて原因が学校生活にあると判断した医師により、ドクターストップがかかり、学校に行かなくなりました。中学二年の二学期のことです。

 もともと小学校低学年のときから、学校に行くのが好きではありませんでした。
人見知りで、集団生活が苦手だったからだと思います。

休みがちだったわけではありませんが、毎晩布団の中で「明日学校に行かなくても良くならないかなぁ」と考えている子供でした。

中学に入ると、地元の複数の小学校から生徒が集まってくるため、それまで会ったことのなかった人たちがたくさんいて、人見知りで引っ込み思案な私はとても気後れしました。また、全員が思春期を迎えるため、小学校とは度合いの違った非行や自我のぶつかり合いなどを目撃し、自分自身の内面の不安定も相まって、私は学校にいることが辛くなっていきました。「学校に行きたくない」「死んだら行かなくて済む」という考えを持つようになり、いつしか食べることに抵抗を覚えるようになり、摂食障害と診断されるまでになりました。

 学校に行かなくなってからの半年は、摂食障害の治療のため入退院を繰り返していました。一進一退を繰り返してようやく中学三年の春ごろから、自宅での普通の生活を送れるようになりました。

通学についてのドクターストップは解除されましたが、学校に行きたくないという私の強い気持ちを両親は理解してくれて、地元の教育委員会が運営する「適応指導教室」というところに通うことになりました。そこには、私と同じように学校に通うことができない同世代の子供が10人ほど出入りしていました。毎日来る子もいれば、ごくたまにしか姿を見せない子もいました。私はそこに毎日通うことで、自主学習をしたり、ゲームをしたり、掃除をしたりと、学校と自宅のちょうど中間のような、適度に社会的な生活を送ることができました。そこでできた友達とは、いまでも連絡を取り合っています。

 高校受験が近くなってくると、「高校に行きたい」「大学にも行きたい」と思っている自分に気が付きました。高校も大学も自分で選ぶことができる、ということが重要でした。

小学校・中学校という義務教育の場は、自分では選ぶことができず、息苦しかったのだと分かりました。自分で選択した道ならば生きていける、あるいは、自分が生きていける道を自分で探す、という考え方に、高校受験を通して目覚めることができました。通信教育を利用して受験勉強をし、希望の高校に入学することができた私は、それ以降、不登校を脱することができました。

 その後、大学入学と就職を経験し、今は結婚して主婦となり、パートタイマーをしています。いまでも、集団行動や人とのコミュニケーションには問題を感じています。そんな自分を受け入れ、無理なく生きていける職場や環境を探し続けた結果、今の落ち着いた生活があると思っています。

 不登校やひきこもりの原因は人それぞれだと思いますが、もし私と似たような理由で不登校になっている方がいたら、まずは「学校に行かなければならない」「働かなければならない」などの固定観念を捨ててみてはどうだろう、と思います。自分を押さえつけ、動けなくしているのはそういった既成の価値観かもしれません。自分自身がそうした価値観で自分を縛っていることに気づいてそれを解いてあげると、自分が本当はどう生きたいのかが分かるのではないかと思います。そうしたら、その生き方を実現するための方法を、諦めずに探してみてほしいです。その「生き方」は立派なものである必要はないと思います。あなたが生きやすいかどうか、を一番の基準にして、どうか気楽に生きてみてほしいと思います。

ココロスイッチでは、各地(千葉市蘇我大田区蒲田新宿区大久保など)で不登校や引きこもりの相談会を毎月開催しています。参加費は無料ですので、不登校の相談、引きこもりの相談、フリースクールの選び方や、通信制高校への進学相談、子育ての悩みなど不登校や引きこもりの子を持つ保護者の方はぜひご参加下さい。