不登校経験談

高校受験も間近の中学3年で登校拒否した私。不登校を理解してくれた母がいたから今がある

不登校・ひきこもり経験談

私は、中学校3年生のころにイジメに遭い、不登校になりました。

私の通っていた学校はイジメに対しての認識が甘かったのか、私自身が勇気を出して先生に相談してもあまり真剣に聞き入れてもらえませんでした。両親にも相談しましたが、このころ両親はとても厳しく、どんなに嫌がっても学校へ向かわせるのです。

夜ベッドに入るとクラスメイトからの悪口を思い出して寝れない。睡眠不足なのか朝も起きられなくなって、学校に行きたくない思いがどんどん強くなりました。朝になるとお腹が痛くなり、血便がでる事もありました。

それでも、厳しい両親に朝怒られる恐怖もあり、頑張って学校へ行ってもすぐに早退してしまうようになりました。次第に学校に行きたくないという思いから、『学校に向かうことが怖い』と感じるようになり、毎日体の痛む箇所を訴え、時に体温計の数値を偽装したりして病欠し、学校のある日をやり過ごしていました。

そんな日が続いたある日、いつものように、母に引きずられるような形で登校を強要されましたが、その時本当に学校がつらい、学校に行きたくない、学校が怖いということを、泣きわめきながら滅茶苦茶に訴えました。

するとそこでようやくイジメられていることを認識してくれたのか、私の体を思い切り引っ張っていた手を緩め、病欠でも遅刻でもなく「登校拒否」という形で学校を休ませてくれました。

その日からは、親に登校を強要されることはなくなり、家で自習さえすれば他は自由に過ごせばいいと言われました。最初は見放されたのかと絶望したりもしましたが、そうではなく私のケアに尽くしてくれたようでした。

母が学校に電話する時、母の後ろで聞いていました。どんな事を学校の先生に話すんだろうと内心ドキドキしていたのを覚えています。「学校には、行けるようになった時だけ向かわせます」と担任の先生へ電話で話しているのを聞いて、ものすごくホッとした事を今でも思い出します。

両親は当時共働きで、時々母が仕事を休んだり、早く終わった日には一緒にランチに行ったり、買い物に連れて行ってくれたりしました。当時ふさぎ込んではいましたが、この母の行動のおかげで外に出るのが怖かったり人に会うのが怖いなど、そこまでの症状にならずに済んだような気がします。

ふさぎ込んで病欠していたころは、一人でゲームをしたり、漫画を描いたりしてなるべく学校のことを考えないようにしていました。この時、進学も考えておらず勉強はほとんどしていませんでした。

が、母が「不登校」を認めたうえで、こうして外に連れ出して気晴らしをさせてくれたおかげで次第に「高校にいったらやり直せるかな」と思えるようになり、家で自習をするようになりました。中学卒業までは基本的に不登校で通しましたが、先生に呼ばれた時や、行かなくてはいけない時だけは登校する事ができました。

やがて受験シーズンを迎え、学力はそう高くはないものの家から通え、かつ今のクラスメイトが一人も受験していない高校へ入学が決まりました。卒業式を終え、もう二度とあの学校へ行かなくていいんだと思うと、とても気分が晴れやかでした。

それからは高校生活、地元の評価はあまりよくない高校ではありましたが、人情にとてもあふれた先生方や、似たような境遇の子が多かったせいかすぐに学校になじみ、友達も増え、さらには夢ができたことにより専門学校への進学を考えるようになりました。

中学3年生の、本当にふさぎこんでた時代を思うとあまりの変わりようで、自分でもびっくりしましたが、これも陰で支えてくれた母のおかげだと思っています。

今でも当時ふさぎ込んでいた時や、はじめは学校に行く事を強要していた母も、事情を知った時から、私を支えてくれた事を思い出します。

もしあの当時、泣きわめきながら滅茶苦茶に「学校に行きたくない」と母に訴えても、母の気持ちが変わらなかったら私はどうなっていたのかと考える時があります。きっと、学校にも居場所がない、家にも居場所がない状況で、精神的にも不安定になり、今の私はいないのではないか。高校にも進学していないのではないかと感じます。

学校生活を楽しめるようになった私は、それから勉学や部活にも励みやがて無事に目的だった専門学校に推薦で入ることができ、卒業後は専門学校で学んだ知識を生かせる職に正社員として入社することができました。

そして、出会った人の中で同じ経験で苦しんでる方がいたときはあの時の母のように当時自分がしてほしかったことや、かけてほしかった言葉をかけてあげるようにしています。

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