私の大学の頃の引きこもり経験をお話しします。小中学校や高校の時は元々、不登校ではなかったのですが、大学生活に入ってからは環境も変わり、自分が変わっていきました。
高校までは千葉市の実家で生活しており兄弟も多く、祖父や祖母も入れて7人家族で生活していたので、にぎやかな家庭で育ちました。その為、高校までは、嫌な事があっても、ひきこもりになれるような環境では無く、一人になりたい時でも、ほぼ強制的にコミュニーケーションを取る環境でした。
高校卒業後の進路は、地元の千葉市か、東京の都心の大学や専門学校に進学する同級生が多かったのですが、私は都心から離れ茨城の大学に進学する事になりました。千葉の隣(茨城)とはいえ、実家から毎日通うのは難しく、高校卒業と同時に初めて一人暮らしをする事になりました。
高校までは、友達と遊ぶといっても地元の千葉市が中心で、遠い所に行く場合でも都心の東京に行く事が当たり前で、茨城なんて家族で出かける時に行くぐらいでした。
それでも、大学入学の4月、5月は一人暮らしが新鮮でした。その時期は、入学後すぐの時期で、周りの人から自然と声をかけられていたものです。正直、自分から話しかけたりする事は得意ではなく、入学時も積極的に自分から話しかけたりはしませんでした。
6月、7月になってくると、周りは気の合うグループに分かれていきました。人とコミュニケーションを取ることが得意ではなかった自分は、一人になる時が多くなってきたのです。うまく人と打ち解けることができず、周りに付き合ってくれる人はいましたが、どこか距離を置かれているようなそんな感覚になってました。
大学に入学し一人暮らしをはじめてからアルバイトをはじめたのですが、はじめてのアルバイトという事と、なかなか仕事がうまくできなかった劣等感と人間関係に悩み、3ヶ月経たずに辞めてしまいました。この時にバイトの先輩に言われた「君は絡みにくいよー」という言葉を今でも覚えています。
大学でも、バイト先でも自分の居場所がなく、「暇だな~」「周りは楽しそうだな~」「なんで一人なんだろう」「惨めだな」そんな気持ちがいつも頭の中にありました。そんな劣等感の中でも、新しいアルバイトで気持ちを切り替えようと、コンビニのバイトを始めたのですが、1週間と持たずに辞めてしまいました。
その事を地元の千葉の友人に伝えたら「マジでないわ!」と叱られたのを覚えています。ホントにそうだと思います。当時の自分は甘チャンも甘チャン、社会のことや常識も全く知らない、大学でもアルバイト先でも自分から話しかける事すらできない、うんこのような人間だったんだと今では思います。
ただその当時はそのことで猛烈にヘコみ、劣等感マックスの状態でした。
そのくせ変なプライドだけあって、千葉の地元の友人からは、「お前は暇でいいよなー」と小馬鹿にされることもあったのですが、冗談として流れず、本気でヘコんでいました。
結局、4年間の大学生活で友達はできませんでした。大学から帰ると、家に引きこもって、ネットでオンラインゲームばかりやっていました。ほぼ引きこもり生活です。大学に行くのも嫌で休んだ事もあります。
ただ、自分の場合、2時間で地元の千葉市に帰れた事、昔からの地元の友達がいた事が唯一の救いだったと思います。一人暮らしをしても、結局毎週のように地元の千葉市に帰っていました。長い休みの時は、ほぼ地元の千葉に帰っていました。
もし、高校卒業後の進学先が、地元の千葉から遠く離れた場所だったら、自分がどうなっていたのか分かりません。大学に行く事すら辞めていた可能性もあります。
大学を卒業してからは、地元の千葉に戻り就職しました。常識も無く、コミュニケーション能力もなく、会社では先輩にかなり鍛えられました。仕事を嫌だと思った事はありませんが、毎日忙しく、辞めたいとか、逃げたいとか思う暇もありませんでした。大学生の時に引きこもって遊んでいた、オンラインゲームもやる暇もなく、自然と辞めていました。
今は31歳です。人間関係は今でも得意ではなく、はじめての人に声をかけるのはストレスが溜まるし勇気もいります。それでも大学の時にくらべると、仕事で必要なので少しはコミュニケーション能力は上がったのかなと思います。
ほぼ引きこもりだった大学時代を振り返ると、自分には一人暮らしが早かったのかなと思います。コミュニケーション能力も、一般常識も同世代に比べて足りなかった自分が、一人暮らしをして、文字通り一人になってしまった。今では苦い思い出ですが、生活する環境によって人間形成が変わってくると改めて感じました。自分に甘えずに、その事を考えながら日々を過ごしていきたいと思います。
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