不登校経験談

真面目だった私は「ひきこもり」になるしかなかった

不登校・ひきこもり経験談

現在46歳の主婦です。
小学生の息子一人と旦那の3人家族です。
ひきこもりと聞いて思い出すのは、私自身の高校時代です。
ひきこもり、いわゆる不登校になったのは高校2年生の夏休み明けです。
そこから約3か月間、学校を休みました。

あまり人には言いたくない経験ですが
少しでも悩んでいる人達の助けになればと思いました。
自分で言うのもなんですが、とてもまじめな性格だったと思います。
勉強する事は嫌いではなく中学生時代もしっかり勉強して
家からは遠いけど偏差値の高い女子高へ入学しました。

将来の夢はぼんやりとあったけれど、現実味の無いものでしたし
それに向かって具体的にどう努力をして良いのか分からず
日々淡々と高校生活をすごしていたように思います。

親が喜ぶのと、勉強が出来ると気分が良かったので
とにかく真面目に生きていたんだと思います。

高校へ入学すると、ほとんどの子が優等生で
先生が指すと、答えられない子はいない学校でした。
周りの凄さに自分のレベルの低さを思い知らされ
どうして良いかわからない状態でしたが
周りに送れないように、取り残されないようにと
とにかく勉強だけは頑張ろう!と高校受験の時のように
毎日予習復習をきちんとやっていました。

また、自分の住んでいるところがど田舎だったので
それに対して劣等感を強く感じました。
周りの子から、そんな所から来てるの?とびっくりされ
ドン引きされたことに深くキズつきました。

やだなと思うことが重なりすぎて、考え方もネガティブになり
自分を愛せなかった気がします。

本当に真面目だったので、すきなアイドルや娯楽へのアンテナが
低かったかな?と思います。「わがままをいうと親に悪いかな?」と
家族にも遠慮したり、顔色をうかがっていたかもしれません。
好奇心や物事に対する興味も、もともと低かったのかなと思います。

それでも一所懸命勉強をして、やっとクラスで7位の成績(40人中)を
取った時、担任から「もっと出来るはずだ!」と言われ
「え、こんなにやってるのに?これ以上は出来ない!」と思い
とても苦しくなりました。
「これ以上頑張れない」という思いや
「今まで我慢してきたのに」という思いから
何のために勉強をするのか、本当に分からなくなりテストに身が
入らなくなりました。周りの生徒たちは、部活や将来の夢にキラキラしていて
とてもうらやましかったです。

自分が興味あることがあっても、完全にこの周りの人たちにはかなわないなぁと
思いました。興味ある事に取り組む前に諦めるような性格でした。
私より出来る人がこんなにいるのに、社会へ出た時に私がいったい
何ができるの?と思っていました。
早くおばあさんになって、静かに暮らしたい・・・そう思っていました。

もう学校へ行かない!と決意したのは高校2年の夏休みでした。
夏休み中に出された課題図書の内容がすごく暗い話で、読むのが辛かったこと
家庭科の宿題で出されたワンピース作成の課題がまるで手につかず
心臓がドキドキしたこと、誰も助けてくれない現実。

私はご飯を食べることが嫌になり、痩せていきました。
学校へ行かなくなると、先生や、たいして仲の良くなかったクラスメイトが
義務の様にお見舞いに来て、とても辛かったです。学校で親友が一人はいましたが
なんと伝えて良いか分からなくなり、自分だけ別の世界にいるような気がしました。

3か月の不登校期間中、私は好きな事、物を探していた気がします。
本屋で目についた小説を母に沢山買ってもらいました。
このまま高校は中退して、別の世界へ行きたくなりました。
小説を読み、自分と向き合うことで、少しずつ自分を許せるようになったのと
母親の「やめてもいいよ」という言葉にホッとしました。

私は3人兄弟の真ん中です。3人の中では、勉強も運動も出来た方なので
出来て当たり前というようなプレッシャーの中にずっと居たような気がしました。
不登校になって、その恐怖が溶けたのかな?と思います。

徹底的にダメな自分を親はどう思うのか、知りたかったのもあると思います。
その後、保健室に1時間だけでも良いからいってみない?という先生や親、友達に
半分だまされたような形で、学校へ復帰していきました。

若さって凄いなと思います。
休んでいる間に原付バイクの免許を取得し、駅まで自転車30分の道をバイクで
行く特別な許可を頂きました。今から思うと、色んな人に遠慮しすぎていた
子供時代であったと思います。我慢が美徳だと思っていたところがあります。

不登校の間と、少しずつ学校へ戻っていく期間に考えたことは
「自分を人と比べない!」という事。
「自分が好きな物は大切に!」
「人からダメな人と思われていても気にしない!」
そう自分に言い聞かせながら高校へ戻りました。

今まで目立たないように生活してきたけど
3か月も不登校で学校へ行かなかったなんて、物凄く目立つ事をやったんです。
そのあと高校に行きはじめたら、今まで休んでいた生徒がいる事で
余計に目立ちますよね。
だから、「みんなに指さされたって、どう思われたって気にしない!」
と自分に言い聞かせながら高校へ戻りました。

今は先生や友達、親に感謝しています。
「休んでもいいんだよ」の中で、私は好きなことを見つけ、そんな自分を愛せる
ようになりました。あの時、引きこもりになるしか、方法がなかった、そこまで
追い詰められていた気がします。

ほんとに小さなことでもいいんです。
自分が没頭できる物を探してみて下さい。
答えは出なくても、何かが変わります。
将来につながっていきます。
いつでもゼロにして大丈夫です。

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