不登校経験談

高校2年の時、私が部活の後輩にしたイジメが原因で私自身が不登校になりました。

不登校・ひきこもり経験談

現在、私は47歳 一児の母で、家族3人で幸せに暮らしています。
一通りの経験をして、今は懐かしく子供時代を振り返る事ができる
そんな時期に来たのだなぁと思うこの頃です。

私が生きてきた人生の中で数えきれない程、嬉しかった事や楽しかった事はありますが
嬉しい記憶は50年もたてば薄れていくものです。

でも、私が高校時代にしたイジメの記憶は、ふとした時に鮮明によみがえる事があります。
忘れようとしても忘れられない今だに心にシミが残ったまま、毎日を過ごしている自分がいます。
自分がした悪い事は、一生記憶として残るんだなぁと思っています。

高校二年生の秋、私は自分がしたイジメがキッカケで不登校になりました。

高校生の時に女子バレー部のマネージャーをしていました。
どの部活でもそうかもしれませんが、先輩が厳しく後輩の私達は緊張の中、毎日を過ごしていました。
それでも、部活を辞めたいとか思った事はありません。

そんな高校生活を送っていた私は、当時、母親と父親の仲が悪く
家に帰れば毎日のように夫婦喧嘩を見させられ、さらに、兄弟喧嘩も勃発するといった悪循環で
気の休まる時間はなかったような気がします。

そんな状態が続きながら、ストレスフルな部活に入部していたので、言い訳ではありませんが
私の心も普通じゃなかったのかもしれません。

2年生になり部活の後輩もできた私は「自分が先輩になった=偉くなった」と大きな勘違いをしていたのでしょう。
私は、部活での自分の役目を忘れ、全てのストレスを立場の弱い後輩にぶつけていたのです。
いつのまにか私は、ストレスのはけ口となるターゲットを探し後輩をイジメていました。
でも、私の「裸の王様」のような日々が続く事はありませんでした。

私がしたイジメは部活の先輩や同級生に知れ渡り、部活が終わった後、先輩、同級生、後輩に
今まで私がして来た行動を非難され、無視されるようになってしまったのです。
完全に総スカンにあってしまいました。

悪いのは私自身がしてきたイジメです。
周りからの非難や無視が続き、身動きの取れなくなった私は、とうとう学校を休むようになり
部屋にこもって1人の時間を過ごすようになりました。不登校の始まりです。

母には「何があったの?楽になるかもしれないから、話してほしい」と言われ
私は、号泣しながら胸の内を洗いざらい話しました。

母は「ごめんね。あなたが登校拒否をするようになった原因を作ったのは
お母さんとお父さんなのかもしれない」

そう話した母は、私を心療内科へ連れて行きました。
また、兄弟も私をかげから見守ってくれました。
私の不登校をきっかけに父と母の喧嘩も無くなりました。

不登校になり三週間が過ぎ、まわりの環境も変わってきた頃に部活のキャプテンから一本の電話がありました。

「正直、あなたのことはまだ許してない。でも、ここで辞めたらあなたのためにならないから電話した。
みんなに土下座するぐらいの気持ちで謝り、挽回していけば、きっと許せる日が来ると思う。待ってるから」
そう言われ、私は勇気を持って学校に行くことを決意しました。

学校にどんな顔をして行けばいいのか、最初は学校の門をくぐるのが怖く
言われているかもしれない陰口や私の噂話、そんな想像をするだけで恐怖心が膨れ上がっていました。
でもクラスの女子数人が、私に「がんばれ!応援してるから」と励ましてくれました。

不登校になったのは、私がしたイジメが原因です。
許してくれるか分からなくても、自分がしたイジメについてしっかりと謝らなければ前に進めないと
思っていました。部活の時間、心臓が飛び出そうなくらい緊張したけれど、自分がした行動を
チームのみんなに謝りました。

それでも、イジメを知る部活のみんなが快く受け入れてくれるわけではなく
その後も微妙な雰囲気が部活にありました。
私は、無視をされても明るく挨拶をすることを心がけるようにしました。

2週間続けたある日、ぜったい許さないと言っていた同級生が
「あんたが本気で謝って挨拶も続けたから、これは本物だと思った。許す」そう言われ
私は嬉しさと安堵感から、その場で泣き崩れた事を覚えています。

私が、不登校となった1ヶ月間、反省を求められ、何が大切かを自分で考え
周りの協力があり、立ち上がることができました。

担任の先生からは
「あなたは、こんな辛い経験をして成長した。私も嬉しい」と言って泣いてくれました。

私のしたイジメは、私の記憶から一生消える事はないと思います。
イジメと不登校の事もたまに思い出し胸が締め付けられる時が今でもあります。

でも、当時時間を与えてくれたみんなに本当に感謝しています。
私を成長させてくれた、家族、先生や友達、そして部活のメンバー
本当にありがとうございました。

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