不登校経験談

高校3年の秋から些細な事がキッカケで学校が嫌いになり不登校になりました。

不登校・ひきこもり経験談

高校3年の秋に不登校になり、しばらく学校へは行きませんでした。
何度か無理をして行ったりした記憶もありますが、最後は完全に行かなくなりました。

当時通っていた高校では、元々スカート丈チェックというものがあったのですが、見つかったら注意される程度のものでした。しかし、2学期始まってすぐの全校朝礼の後、生徒が退場する時に、入り口の両脇に先生方がずらっと体育座りをして並び、女子のスカート丈をチェックしはじめたのです。その年から校長が代わり、方針変更から校則なども厳しくなっていた時期でしたから、新しい取り組みだったのだと思います。

田舎の世間知らずな女子高生だった私にとって、先生とはいえ何人もの男性に下半身を見つめられながら歩くという行為はとんでもない衝撃でした。体育館から出た後、やっと終わったという安堵と気持ち悪さで泣いてしまい、結局体調不良でその日は早退しました。

それから、全校朝礼がある日は、あれ(スカート丈チェック)があると思うと学校へ行けなくなりました。それがきっかけで、学校がどんどん嫌になり、なんでもない日でも学校へは行きたくない、と思うようになったんです。

学校を休みがちになった私に、両親はあまりいい顔をしませんでした。
母親には「体調が悪いわけではないのだから、多少の嫌なことは我慢して学校へ行くべきだ!」と言われ続けました。母親に食事を投げられたこともあります。

でも、「学校へ行かなければ…」と思えば思うほど、
周りが学校へ行かせようとすればするほど、
「なんでそこまでしてあんな高校へ行かなきゃダメなの?」という思いもどんどん強くなり、意地になっていた部分もありました。

勉強は嫌いではなかったので、引きこもっている間は勝手に教科書を進めていました。昼間からうろうろしていたら怪しまれるし、外で遊び歩きたいとも思いませんでした。当時はスマホも持っていなかったので、本当に暇だったのです。もしインターネットが普及していたら、きっとスマホ三昧だったと思います。

私の場合は、高校3年の秋から不登校気味になったのもあり、高校卒業に必要な単位はとる事ができました。これが高校1年や2年の時なら卒業できていたかわかりません。

特に何かで解決した、というわけでもなく、高校生活が終わると同時に引きこもり生活も終わりを迎えました。

その頃には、「とにかく周りにとやかく言われない場所に行きたい」という思いが強く、私のことをだれ一人知らない世界で過ごしたいと考えていました。

進学校だったので、皆の流れに乗って大学を受験し、無事遠くの大学へ合格することができ、とても晴れやかな気持ちでしたが、高校の卒業式も出る事もなく、高校生活は終わりました。

大学進学後は、想像通り自由に過ごすことができ、ひきこもっていたのが嘘のように普通に生活していました。

今思えば、高校卒業のために単位を補わせてくれた担任や、学費や一人暮らしの生活費を捻出してくれた両親など沢山の人の支えによって成り立っていた自由でしたが、当時はそんな考えには至らず、やっと自由になれた喜びをかみしめるばかりでした。私の中では、不登校は自由を手に入れる戦いだったのだと思います。

周りの人たちに感謝するようになったのはもっとずっと後のことです。
でも、些細な事で不登校になったりする事だってあると思います。納得いかない事や、体調が悪くなったりする事だってあります。でも、大人(親)はわかってくれませんでした。

「周りに合わせなさい」「我慢しなさい」そのような言葉はよけいに当時の私を孤独にしていたと思います。周りに合わせる事ができたら普通に学校行ってるよ。行けないから悩んでるのに。そんな感じです。

だから、私が母親になったら絶対に孤独にはさせないと思います。

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