不登校経験談

高校3年の春、突然の動悸が激しくなり精神疾患で不登校になりました。

不登校・ひきこもり経験談

私は高校3年生の時、不登校になりました。
原因は精神疾患でした。

当時の私は全日制の普通科高校に通い、バレー部のキャプテンとして毎日忙しく過ごしていました。
今、考えても大きなストレスを感じていたとは思えないのですが、病気は突然やってきました。

3年生になってすぐの4月、授業中に突然、動悸が激しくなり、視野が狭くなり始めました。
焦った私は、手を挙げて、先生を呼ぼうと思いましたが、手が震え、声もまともに出せませんでした。

私の異常に気付いた友人が先生を呼び、保健室まで連れて行ってくれました。
しばらくすると症状は治まりました。
念のために病院に行きましたが、異常は見つからず、その後ウチに帰りました。

しかし1週間後、また症状が出ました。
すぐに病院に行きましたが、やはり異常は見つかりませんでした。
結果を受けて、先生は言いました。
「もしかしたら、身体ではなく、心にトラブルがあるかもしれませんので、紹介する病院に行ってみませんか」

たぶん、母親はショックを受けていたとは思いますが
私はこの苦しさが治るなら、どこでもいいから治して欲しいと切実に思っていました。

後日、紹介された病院に行きましたが、普通の家にしか見えず、中に入っても誰かの家?と思うほど。
先生も看護師さんも私服で、とても病院には見えませんでした。

先生は、雑談に近い問診をした後、私に言いました。
「脳から出る信号が少し混線しているから、薬を飲んで整えるから。
少し時間がかかるけど、時々話を聞かせてね」
特に何かをしたわけではありませんが、何となく安心することができました。

それからは、学校に行かず、家や図書館で過ごすようになりました。
不登校と言えば不登校ですが、病気を治す事を優先し休んでいる状況です。
学校のことや将来のことを考えると、たまらなく不安になり、発作が出ることもありましたが
父や母が何も言わず肩を抱いてくれたので、耐えることができました。
病気になる前は、両親の存在が少し煩わしく感じていましたが
私にとって掛け替えのない心の支えになってくれました。

服薬と通院を続け、半年くらい経った頃、発作も起きなくなりました。

学校を休んでいる期間が長く出席日数が足りないという理由で、高校は早々に留年が決まってしまったので
そのまま3月末まで休む事にしました。ですから私の不登校期間は約1年間だったのです。

留年になると、1つ年下の生徒と一緒のクラスで1年を過ごす事になります。
今の全日制高校を辞めて通信制の高校に転入する事も考えましたが
環境の変化を嫌ったのと、学習方法の違いなど色々面倒だったので、残り1年頑張る思いで留年することにしました。

そして翌年の4月、私は学校に復帰して、無事卒業することができました。
1つ年下の子達と一緒のクラスっていうのも始めは緊張しましたが、部活の後輩もいたりと
思ってたより早く打ち解ける事ができました。
むしろ、1つ年下の子と学校生活を送るのが、何となく不思議な気持ちで楽しんでいたのかもしれません。

当時を振り返ってみると、私とって両親の存在が大きかったと思います。
両親は私には何も言わず、それまで通りに接してくれました。
ただ苦しいときは、ずっとそばにいてくれました。

子どもを持った今、私にはそれがどれだけ、辛く難しいことか分かります。
当時は今と違って精神疾患が一般的ではなかったので、情報も少なく、不安だったと思います。

でも昔と違い今は、精神疾患も細分化されており、うつ病や統合失調症、パニック障害や解離性障害、
PTSDなど、病院でしっかり検査を受けて薬も処方してもらい周りの助けがあれば立ち直れると思います。

両親も親戚や先生からも色々言われていたと思いますが、何も言わず私を守ってくれました。
そんな両親の存在があり、私は良くなることができました。
両親には今でも感謝しています。

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